
悪天候により波乱続出のレースとなった今年の日本GPだが、富士スピードウェイでのF1開催はレース外でも波乱に満ちたものとなった。
まずは観客席の問題だ。主催者である富士スピードウェイは30日に会見を開き、1コーナー手前の指定席Cの観客7千人に対してチケット代の一部を払い戻すことを発表した。指定席Cでは仮設スタンドの勾配が緩くコースが見えないとの苦情が相次ぎ、チケット代6万5千円のうち指定席分の5万円を払い戻すことを決めた。払い戻し金の合計は3億5千万円にも及ぶ。
また、最大の問題となったのがシャトルバスによる観客の輸送だ。29日の予選後にスピードウェイ敷地内の道路が陥没し、多くの観客に影響が及んだ。主催者の発表によると、予選後は2万人が2〜3時間の足止めをくらい、決勝当日は85人の観客がバスの遅延によりレーススタートに間に合わなかったとされているが、実際はこれ以上の観客に影響が及んでいると思われる。
土曜日の予選終了後のシャトルバス乗り場には長蛇の列ができ、小雨の降る寒い中を早くても2時間、ひどい場合は5時間以上もバスを待つ観客もいた。シャトルバス乗り場には多くのバスが乗り入れていたがバスが到着する頻度は乗り場によっても様々で、30分に数台が乗り入れるところもあれば、2時間たってもバスがまったく来ない場所もあった。
富士スピードウェイから一番近い須走駐車場行きのバス(西ゲートより発着)は片道15分、往復でも30分程度しかかからないが、バスが観客を迎えにくるのは2時間に1回程度だった。駐車場へ行くまでの道が渋滞しているわけでもなく、陥没したという道路を通るわけでもない。では、バスは一体どこへ行ってしまったのか?
運転手の話によると、西ゲートを利用してスピードウェイに観客を迎えにくるバスは西ゲート入り口手前で数十分から1時間程度も待機させられているという。西ゲート入り口では関係車両の出入りが優先的に行われているため、バスはゲート手前の道で待機せざるを得ず、結果としてシャトルバス乗り場にたどり着けなくなっていた。
決勝レース直前にも同様の光景が見られ、バスは降車エリアまでたどり着けずにサーキットを前にして渋滞の列を成していた。降車エリアでないと乗客を降ろせないという主催者側の意向に対してレースを心待ちにする乗客は騒然となり、猛抗議の末にゲート手前でバスを降りて走ってサーキットに向かう観客が大勢いた。
決勝レース終了後には、前日の混雑を考慮して多くの観客がレース終了と同時にシャトルバス乗り場に殺到した。しかし、状況は改善されるどころか更に悪くなっており、自分が並ぶ列の最後尾がどこなのかわからず、さまよう観客もいた。そして、バスは待てども待てども来なかった。決勝レースが終わってから5時間半が経過した午後9時の時点でも、西ゲートのバス乗り場では100人以上の観客がこごえるような寒さの中でバスの到着を待っていた。
2009年より日本GPは富士と鈴鹿との交互開催となる。鈴鹿の復活を喜ぶファンが大勢いた一方で、富士スピードウェイが今回の問題により非常に苦しい状況に立たされたのは言うまでもないだろう。
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